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節税効果が現れるのはどれぐらいの年収?
38歳の個人事業主です。よく、「個人事業で儲かってきたならば、会社を設立した方が節税になる」と聞きますが、具体的にどれぐらい儲かってきたならば、会社を設立した方が有利なのでしょうか? 人によってはその金額が「1000万円」だったり、「500万円」だったりします。はっきりいってわかりません。教えてください。宜しくお願いいたします。
年収500万円ぐらいから会社設立による節税効果が発生します
会社と個人事業の税金の種類・税率は下記のとおりです。
会社にかかる税金(資本金1000万円未満の場合)
年間課税所得 | 法人税 | 法人事業税 | 法人住民税所得割 | 法人住民税均等割 | 合計税率 |
---|---|---|---|---|---|
400万円以下 |
22% |
5% |
3.81% |
7万円 |
30.81% |
400万円超800万円以下 |
22% |
7.3% |
3.81% |
7万円 |
33.11% |
800万円超 |
30% |
9.6% |
5.19% |
7万円 |
44.79% |
会社経営者は会社から役員報酬(給料)を受け取ることになります。この役員報酬にも所得税と住民税がかかります。
個人事業主にかかる税金
年間課税所得 | 事業税 | 所得税・住民税合算 |
---|---|---|
200万円以下 |
業種によって異なる。 |
15% |
200万円超330万円以下 |
20% |
|
330万円超700万円以下 |
30% |
|
700万円超900万円以下 |
33% |
|
900万円超1800万円以下 |
43% |
|
1800万円超 |
50% |
これらの表だけでは実感が湧かないと思いますので(説明している私自身もピンと来ない。。。)、実例を挙げて説明します。
売上高を1200万円、仕入高・経費を720万円、家族構成を配偶者あり・子ども1人として税額を計算してみると下記のようになります。
会社の場合 | 個人事業の場合 | |
---|---|---|
売上高 |
1200万円 |
1200万円 |
仕入高・経費 |
720万円 |
720万円 |
役員報酬 |
480万円 |
0円 |
事業利益 |
0円 |
480万円 |
個人事業青色申告控除 |
0円 |
65万円 |
給与所得控除 |
150万円 |
0円 |
扶養控除など |
114万円 |
114万円 |
所得金額 |
216万円 |
311万円 |
個人所得税・住民税 |
33万2000円 |
50万2000円 |
法人税・法人住民税 |
7万円 |
0円 |
個人事業税 |
0円 |
9万5000円 |
法人事業税 |
0円 |
0円 |
税金合計 |
40万2000円 |
59万7000円 |
差額 |
+19万5000円 |
もうちょっと事業の規模を大きくして、売上高を1800万円、仕入高・経費を1080万円、家族構成を既婚・子ども1人として税額を計算してみると下記のようになります。
会社の場合 | 個人事業の場合 | |
---|---|---|
売上高 |
1800万円 |
1800万円 |
仕入高・経費 |
1080万円 |
1080万円 |
役員報酬 |
720万円 |
0円 |
事業利益 |
0円 |
720万円 |
個人事業青色申告控除 |
0円 |
65万円 |
給与所得控除 |
192万円 |
0円 |
扶養控除など |
114万円 |
114万円 |
所得金額 |
414万円 |
541万円 |
個人所得税・住民税 |
81万2000円 |
119万3000円 |
法人税・法人住民税 |
7万円 |
0円 |
個人事業税 |
0円 |
21万5000円 |
法人事業税 |
0円 |
0円 |
税金合計 |
88万2000円 |
140万8000円 |
差額 |
+52万6000円 |
さらに事業の規模を大きくして、売上高を3000万円、仕入高・経費を1800万円、家族構成を既婚・子ども1人として税額を計算してみると下記のようになります。
会社の場合 | 個人事業の場合 | |
---|---|---|
売上高 |
3000万円 |
3000万円 |
仕入高・経費 |
1800万円 |
1800万円 |
役員報酬 |
1200万円 |
0円 |
事業利益 |
0円 |
1200万円 |
個人事業青色申告控除 |
0円 |
65万円 |
給与所得控除 |
230万円 |
0円 |
扶養控除など |
114万円 |
114万円 |
所得金額 |
856万円 |
1021万円 |
個人所得税・住民税 |
221万6000円 |
291万4500円 |
法人税・法人住民税 |
7万円 |
0円 |
個人事業税 |
0円 |
45万5000円 |
法人事業税 |
0円 |
0円 |
税金合計 |
228万6000円 |
336万9500円 |
差額 |
+108万3500円 |
上記のように「所得が増えれば増えるほど」個人事業よりは会社のほうが税金面で優遇されていきます。
税金面だけを考えると、個人事業での年収が500万円を超えているならば、会社を設立されて「社長」として給料(役員報酬)をもらった方が得ということになります。
なお、上記の計算では社会保険の加入(厚生年金や健康保険等)や役員の人選等は一切配慮していませんが、これらの事項を活用することによってさらに納める税金を少なくすることが可能性があるかもしれません。
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